クイニーアマン
見るからに厚くコーティングされたがっちがちなキャラメリゼ!生地とのコントラストが効いていて、ザクザクバリバリな食感がたまらない。メリハリやこだわりが凄いというか、食感をものすごく大事にしてるのが伝わってきて、ここまで食感に感動できるお店も記憶にないかも。おいしくて当たり前の世界になってくると食感とか香りとか五感に訴えかける要素が重要になってくると思うけど、こちらの食感の素晴らしさには衝撃を受けた。スイーツにハマるきっかけでもあったパリセヴェイユのクイニーアマンを食べて「この世にこんな美味しいモノがあるのか」と感動したものだけど、美味しいと評されるお店のクイニーアマンを食べ歩いてもあの感動が蘇るような出会いがなく、クイニーアマンというよりパリセヴェイユのクイニーアマンが特別だったのかと半分あきらめていたんだけど、こちらのクイニーアマンに出会えただけでもこのお店に来た甲斐があった。パリセヴェイユのクイニーアマンはビジュアル的にもちょっと変わってて、こちらのお店に置いてあるタイプのクイニーアマンがベーシックなタイプだと思うけど、ほとんどのお店で置いてあるクイニーアマンがこのタイプなのでまさか感動できる逸品に出会えるとは思いもしなかった。苦手なのでシナモンの風味が若干気にはなるけど、塩やバターの使い方が絶妙で、裏の部分にまぶされたヴァニラシュガーのバニラの風味やジョリジョリした食感が加わり、クイニーアマンの特徴でもある変化していく食感とじわじわと広がっていく風味の素晴らしさを存分に味わうことが出来る。個人的にこちらのウリであるショコラ系がそれほど好きじゃないってのもあってケーキはそれほど印象に残らなかったけど、ヴィエノワズリーは絶品。噛みしめたときの食感のすごさが脳裏に焼き付くよう。
モンブラン
こちらのお店を代表する作品。クシャトリヤを思い浮かべちゃったけど、凄く印象的なビジュアル。仏栗と和栗という風味が異なる二つの栗が味わえる仕様になっていて、仏栗のマロンペーストで覆われた表面へとフォークを入れてみると中はシャンティがたっぷり。バニラビーンズが目に見えてびっしりと入っていてミルキーな味わい。こうしたタイプって無糖の場合が多いけど、こちらは甘みがあるタイプで風味もやや強く栗の風味が弱く感じてしまうかも。中心部には和栗のマロングラッセとマロンクリームが入れられていて、和栗らしく濃厚な風味でバランスがとられている。土台はサックサクのアーモンドのメレンゲになっていて効果的なアクセントに。見た目のインパクトに比べるとおとなしい味の印象だけど、サイズも大ぶりで食べ応えのあるモンブラン。お店の看板商品だけあってすぐに売り切れてしまうので注意。
ガトーフレーズ
いままで食べた数あるショートケーキの中でもBest3に入るくらいめちゃくちゃおいしいかも。大きさも結構あるのでおいしくて食べ応えがあるから嬉しい。ややパサついてる部分もあるけどスポンジにシロップがたっぷりと、クリームを邪魔しないしっとりとした口どけのよさ。ミルキーでコクのあるシャンティの口溶けも素晴らしくまさにとろける食感のショートケーキ。甘酸っぱくておいしいイチゴもふんだんに使われてて三層とボリュームがあるのに夢中で食べ終えてしまった。
サントノーレ・オ・マロン
和栗の風味が濃厚。シュガーを纏ったチョコがジョリジョリと食感が楽しい。栗がそのまま載ってるけど、これがまた凄く濃い。大体飾りとして載ってるのがそのケーキのテーマとなる素材や方向性を決めるモノだと思うけど、シャンティも和栗テイストと上から下まで和栗尽くし。シューが凝ってて、キャラメリゼされたものとこちらのシューアラクレームを模したモノの2種類が使われていて手間暇かかってる。キャラメリゼもこちらのお店らしく容赦なく掛かっていて、強めの苦みもありメリハリの効かせ方が上手い。土台のパイもザクザクと素晴らしい食感。塩気もよく効きバターの風味もかなり濃厚。土台の真ん中には和栗のペーストとカットされた和栗が忍ばせてあって栗の香りが漂ってくる。和栗がそれほど好きじゃない人にはヘビーすぎる印象だけど、ひとつひとつのパーツのクオリティが高く、手の加え方など隅々まで神経が行き届いている印象で食べ進めるごとに楽しみが。
クロワッサン
クロワッサンブールとくらべると確かにあっさりではあるけれど、こちらも比類無きバターリッチな絶品。間違いなく日本におけるクロワッサンの最高峰。2週連続でこちらのお店に伺ったのは食感への気配りのすごさが実感できたので、買い逃したクロワッサンもものすごいはずと確信のようなものを持てたから。ケーキには見向きもせずにクロワッサンだけを購入していく人も多いらしいけど、焼きたてがすぐに売り切れてしまうくらい人気なので早めに確保した方がいいかも。焼き込みもしっかりと、苦味すらアクセントに。塩加減も絶妙。
クロワッサン・オ・ブール
十円違うだけだけど発酵バターがさらにたっぷりと、食べてみればはっきりと明らかな差が。見るからに美味しそうな層の美しさ。外はパリパリ、中はふんわりとメリハリの効いた食感のコントラストが素晴らしすぎる。クロワッサンと比べると中のふんわり加減がけっこう違い、粉の味わいに加え、バターの風味がふんわりじわじわしみ出してくるかのよう。こちらのクロワッサンが絶品なら、更にその上を行くクロワッサン・オ・ブールはなんと表現すればいいのか。
パン・オ・ショコラ
クロワッサン同様、こちらも食べるのがもったいなくなるような美しいルックス。層の重なりを見ているだけでその素晴らしい食感がイメージできてしまう。そのままでおいしいクロワッサン生地の中にはややビターなショコラが。量が少ないけど生地の食感や味わいの余韻を邪魔しないベストなバランスかも。こちらのヴィエノワズリーは塩加減もほんと絶妙で、バターもふんわりと口に鼻にと風味が広がる。クロワッサン生地のパリッパリな食感は記憶に残るほどインパクトが。
シュー・ア・ラ・クレーム
ヨロイヅカで感動したばかりだけど、ここのシュー皮も他とは別次元の食感の素晴らしさ。クイニーアマンとシュー・ア・ラ・クレームだけでもうこちらのお店が食感に並々ならぬこだわりを持っていることが伝わってきた。焼き込みが強く、ざくざくバリバリっと食感だけでも楽しめる満足感。こちらの焼き菓子は凄いなと食べながら思わず感嘆。ただこちらもヨロイヅカ同様にクリームにフックがなくて印象に残らないのが残念。バニラの風味とたまご感のバランスはいいんだけど、やはり皮とのバランスであっさり気味になっちゃうのかな。
フランキャラメル
上部にはパウダーシュガーがたっぷり。生クリームの層もたっぷりと厚みが有りとろっとおいしい。口溶けなめらかなカスタードはちょっとあっさり目かな。キャラメルも特に風味を感じない。苦みを効かせてあるので卵の風味が強い方がカラメルとの相乗効果が高いかも。インパクトは無いけど一体感を感じるプリン。
苺のロールスペシャル
大ぶりの苺が入ってて、ビジュアルもよく嬉しい。テイスト的には甘さ控えめであっさりしてるんだけど、イチゴも甘酸っぱく、構成がミルキーなシャンティ、クレーム・パティシエール、イチゴとまるでショートケーキを食べてるかのよう。ただ、これはロールケーキ。なんといってもインパクトがあるのが生地の食感。密度がありつつもエアリーさもあって弾力がきちんとありながらもふわふわで、口の中であっという間に溶けていくような独特の食感がある。
オランジュリー
評判も良く、ユニークな見た目に期待して名前控えてったんだけど、これだよなぁってショーケースで考え込んじゃった。見た目も平凡な印象で、名前はそのまま新しく作り替えたのかな。こちらのお店はショコラがウリなのでどれか一つはと思って柑橘系との組み合わせのを選んだんだけど、こちらは濃厚なカカオとオレンジ、パッションフルーツの組み合わせ。さすがにがっつり濃厚ショコラだけど、オレンジに加えパッションフルーツが効果的に効いてて口溶けもよく爽やかで食べやすい。