クロワッサン
表面サクサク、中はふんわりと優等生的なクロワッサン。バターの風味もよく塩気が丁度いい。生地を冷凍のまま日本へと空輸してるので味も変わらないと思うけど、チェーン展開でフランス中にあると言われるPAULなのでフランスのスタンダードなクロワッサンと言えるのかも。
クロワッサン・フランボワーズ
クロワッサン・コレクションとしてポールから春限定のスイーツなクロワッサンが登場。これはその中の一つ、春らしい色合いの「クロワッサン・フランボワーズ」。
ドライ・フランボワーズを繋ぎ止めているグラサージュで結構上部がべたべた。強い甘みを感じさせるんだけど、クロワッサンの中にたっぷり巻き込まれているフランボワーズのコンフィチュールがやや刺激的でもある甘酸っぱさでメリハリが効いてて美味しい。こういうのってボケた味のが多いけど、品のある華やか爽やかさがあってポールのはちゃんとスイーツして成立してる。
エスカルゴ・レザン
フランスでは朝食の定番として愛されているエスカルゴ。カスタードとレーズンを巻き込んだ渦巻き状のデニッシュで、見た目からパリッとした食感を想像してたけど、意外やしっとり系だった。お酒を効かせてある風味の良いレーズンがたっぷり。あくまでレーズンの引き立て役なのでカスタードは少なめ。上部がアイシングされているのでこれでカスタードが多いと甘すぎて確かにバランス悪そう。甘さの中にフルーティーさも感じとれて余韻が良い。ポールのはアプリコットのコンフィチュールが忍ばせてあるのでいいアクセントになっている。
アングレーズ・ポンム
アップルパイも好きでいろいろと食べてるけど、一番好きなアップルパイはブーランジェリーで出会うことに。サイズも大ぶりでグラサージュがキラキラと美しく、本場フランスらしいルックスの良さ。
とにかく酸味が強烈!ここまで印象に残るのははじめて。酸っぱいといってもいやな感じではなく、リンゴらしい甘酸っぱさがほんとたまらない。日本でもこだわりのあるところは紅玉を使うのがほとんどだけど、フランスではどんなリンゴを使うのかなと思ってたら「ボスクープ」というフランスでもあまり使用されない品種の林檎を使用。リンゴのペーストの上にはコンポートされた大ぶりでジューシーな櫛切りのリンゴがごろごろと載っていて存在感が。リンゴを引き立てるためか薄めなのでパイ生地の食感もサクサクと、一体感のある素晴らしいハーモニー。バランスが完璧で自分にとってはアップルパイの理想型。
P.S.残念ながら人を選ぶ酸味の強さのため、酸味をやや弱めた別の品種で現在は作られるようになってしまったけど、アップルパイの理想型としていまでも自分の中で君臨し続けている。
グリルポンム
ポールのアップルパイは甘味がかなり控えめにしてあって、その分酸味が強烈な印象で自分の好みにぴったり。甘いアップルパイが好きな人には合わないかもだけど、かなり個性のあるアップルパイ。シナモンがそれほど好きじゃないので、シナモンを使っていないのも印象を左右してるのかも。
フィリングはコンフィチュールのようなタイプ。バターの風味も豊かで、薄めな生地にしてあることがこの個性的なフィリングとの相性を高めサックサクの食感と相まって非常にバランス良く感じる。
クイニーアマン
PAULを好んで買うのはフランスのスタンダードな味が味わえるという期待もあるんだけど、このクイニーアマンもなかなかの逸品。
パリセのように背の高いフォルム。バリバリの飴がけでカッチカチのキャラメリゼっぷりが食感の良さを想起させてもうたまらない。バターの風味、香りも素晴らしく、塩気を効かせた生地の中からは蜜がじゅわーと染みだしてくるかのように凝縮された甘みがじわじわと染みだしてきて塩気とのコントラストがたまらない。
シュー・ア・ラ・クレーム
いかにもフランスらしい華麗なビジュアルで一目見て釘付けになっちゃったけど、これで味が最高だったらと悔やまれる。日本一のシュークリーム探しを日課としてるのでやはり厳しめにこだわりたい。「PAUL」といえば粉の味が味わえるかと思いきや焼きもそれほど強くなく味のインパクトがない。生クリームとカスタードクリームの2層になってて、シャンティがたっぷりとおいしいんだけどカスタードは平凡。皮の食感がよくないし、ビジュアルでかなり期待値が上がっただけに味の方でインパクトがなくて残念。フランスのものにしては甘さもかなり控えめ。
カヌレ
焼きたてをゲット。おいしいカヌレが食べたかったらまずは試してみるべきな、カヌレのスタンダード。高いレベルですべてのバランスがうまくまとまっている。蜜蝋でキャラメリゼされたバリバリッとすばらしい食感まで焼き上げられた外側に、内側にはプリンというか、カスタードのような卵の風味が豊かに広がるぷるっぷるな食感の生地とメリハリの効いたすばらしいコントラスト。甘さもほどよくラム酒も効果的に効きまくっていて大人な装い。
クロワッサン・ショコ
ショーケースでもひときわ目を惹く黒い塊。クロワッサンにチョコレートをたっぷりとコーティング。クロワッサンらしさは失われてるものの、生地がふんわりなのとビターなチョコレートなので意外に見た目ほどはくどくなく美味しく一気に食べ進めてしまう。
パン・ショコ・ショコ
ショコラが倍なので「パン・ショコ・ショコ」。もともとPAULのパン・ ショコラはショコラが2本入っているけど、さらにたっぷりとチョコでコーティング。ビジュアルも味もチョコ好きにはたまらないインパクト。
パルミエ・ショコ
パルミエのチョコバージョン。実物はかなりの大きさで、顔の小さい娘なら隠れてしまうかも。味が想像できてしまいそうだけど、実際食べてみると想像通りの美味しさで思わず笑いが出てしまいそうなくらい。食べてて幸せになる多幸感。甘みも強めで厚みもあるから食べ応えが凄い。PAULのチョコというとビターなのがおおいけど、これはマイルドなテイストでパイ生地の甘みとハーモニー。なんといってもサクサクではなくバリバリな心地いい食感が最高すぎる。
パルミエ
大好物のパルミエ。生地のおいしさがなんといってもたまらない。ちょっとバターの風味が弱くなったかな。砂糖とバターの塊にパイ生地の香ばしさが加わったシンプルながらも美味しさがぎゅっと詰まった逸品。がっちりキャラメリゼされているので食感もたまらない。源氏パイはこの焼き菓子を参考に作られ市販化されたもの。
クロワッサン・アマンド
クロワッサンダマンド表記のお店の方が多いと思うけど、大好物過ぎて見かける度に買ってしまうアイテムの一つ。端っことか特にザクザクした食感がすごくてたまらない。上にたっぷり載ったアーモンドのパリパリさと相乗効果でおもわず笑顔。中はシロップでひたひたに染み込ませてあって、甘々なアーモンドクリームもたっぷりと本能を刺激する濃厚な甘み。ラム酒がちょっときつめに感じて、雑味もやや感じるかな。パウダーシュガーもたっぷりとかかって甘みの底上げ。印象に残るくらいこの食感はクセになる。
ガレット・デ・ロワ1/6
1/6の公現祭にフランスでは新年を祝う焼き菓子として定着しているガレット・デ・ロワ。さまざまな形をした小さな陶器のフェーブと呼ばれるモノが中に入っていて、カットした後にそれを引き当てた人は「王様のお菓子」と呼ばれる所以でもある付属された王冠を被り、王様としてその年は幸運を授かるとされている。日本では当局の指導によってフランスのようにフェーブが入れられず、代わりにアーモンドが入っているのが大半。有名なパティスリーだとすぐ売り切れてしまうんだけど、PAULのガレット・デ・ロワは年明けからしばらく経っても通常販売されているので入手も容易。カット売りもされてて1/6のサイズながらホール自体が大きいので結構大ぶり。輸入されてくるので味もそのままだし、フランス中に店舗を持つPAULだけにフランスで日常食べられている味がどんなものか興味あったんだけど、サクサクのパイ生地は風味がいいんだけど、サツマイモのような風味のするクレームダマンドが芯がないというかどこかぼやけた味がしてちょっと残念。PAULとはいえ、パリセやyuji ajikiを基準にしちゃうとちょっとハードルがあがりすぎてしまうかな。