マシェリシュシュ!? ショーケース 2015/06
セラヴィ
モンサンクレールのスペシャリテであり、辻口氏の代表作。
期待が大きすぎたのか最初のうち、モンサンクレールにはあまり印象が残らなかったんだけど、スーシェフを務めていた安食さんのお店「SWEETS garden YUJI AJIKI」を経由するなどして何度か行くうちにツボにきた。 ある意味王道なホワイト・ショコラのムースにピスタチオとフランボワーズの組み合わせ。印象としては軽いけど、調和の取れたテイスト。サクサクしたフィヤンティーヌの食感が後を引く。ホワイトチョコ好きにはたまらない。
リュタン
心地のよい酸味で、ベリー系では最高峰かも。モンサンクレールに来たら絶対外せない逸品。見た目の美しさもさることながら赤スグリのムースと桃のハーモニーがたまらない。タルトも味、食感ともによく忍ばされたレアチーズも華やかさに花を添えるかのように効果的。ピーチが好きな方ならマストな想像を遙かに超えたおいしさ。
モンサンクレール
お店の名を冠した代表作。コーヒー好きにはたまらないであろう人気商品。
たっぷりとまぶされた香ばしいナッツはキャラメリゼされザックザク。中にはコーヒークリームに包み込まれたビスキュイ・ジョコンドが入っていて、ラム酒が染みこませてあるので芳醇で妖艶な風味がコーヒーに絡みつく。底にはサクサクのメレンゲが敷いてあり、食べ進めるごとにテイストの変化に加え、食感の変化も加わって、濃密な余韻と満足感を残してくれる作品と呼ぶにふさわしい逸品。
セゾンド ガトー(苺)
価値観や意見の違いから飛び出す形となったオーボンヴュータンの河田御大から「ショートケーキだけは店に並べるなよ」と言われていたものの、考慮を重ねた上、辻口氏らしい解釈で誕生したモンサンクレールのショートケーキは
口溶けや軽さに特にこだわり、日本人が好む理想的なショートケーキとして仕上がった。
こちらでは季節によってフルーツが変わるけど、あくまで脇役。飾りにすら載せられていない。口溶けの良いスポンジにエアリーなシャンティと、すーっととろけるようなショートケーキ。
和菓子屋の息子として育った辻口さんにとって衝撃的だったはじめてのショートケーキの味はパティシエを目指す原点であり動機となった思い出の味。いまではあちこちのロールケーキなどでも模倣されるようになったけど、辻口さん独自の工夫が施されてあって、甘さ控えめな中にスポンジにカスタードクリームを忍ばせることによって卵の風味、コクを感じさせ、忍ばせてあるのが底の部分のスポンジということもあって効果的に余韻を残してくれる。
デニッシュ
なんといってもフルーツが美味しい!イチゴやオレンジが美味しすぎる。フルーツメインのところでもビジュアルだけで肝心のフルーツ自体はいまいちってことも多いんだけど、こちらでは数え切れないくらいデニッシュ食べてきたけど、どれもハズレのない美味しさ。しかも魅せる事を前提としているからカット面といいフルーツの処理も素晴らしすぎ。ナパージュされて輝かんばかりの美しさ。
カスタードもたっぷりだけど、こちらのお店のカスタードも特徴のある味。一つ残念なのが、生地のデキにムラを感じる点で、たまに風味が劣るのがあったりするけど、美味しいものを食べるのはなんとも幸せ。
デニッシュ・ア・ラ・セゾン プチ イチゴ
大好きなモンサンクレールのデニッシュの見た目もかわいいプチサイズ。イチゴにキラキラとグラサージュが施されていて、「宝石のような」と表現されるのにもちゃんと一手間が加えられているが故と納得。デニッシュのザクっとした最高の食感とともに生地からじゅわーっと甘味が染みだしてきてほんとたまらない。サイズが小さい分、かえってこちらのデニッシュの良さがすべて凝縮されている感じ。
デニッシュイチゴ
珍しく買う物決めてなかったのでショーケースを端からじっくり見ていったけど、綺麗さでひときわ目に付いたのがこちら。
イチゴの酸味、中のカスタード、デニッシュの食感と襲い来る素晴らしきハーモニーたるやもうこれはうますぎ。 デニッシュがとにかくおいしくて、バターたっぷりもそうだけど、シュガーも染みこんでてしっとりとした生地からじわじわ甘みが溶け出してくる。 クイニーアマン好きならたまらないかも。パンの専門店も出してるくらいだから自信はあるんだろうけど、これは絶対行くたび買うなぁ。
デニッシュ・ア・ラ・セゾン パンプルムース
いつの間にかレジ横にデニッシュのコーナーまで出来ていて人気出てきているのかな。グラサージュされているのでフルーツがとっても綺麗に輝いている。いつも感動するほどおいしいのに、今回買ったのはなぜか生地のインパクトが弱く感じて残念。噛みしめる楽しさが感じられなかった。逆にフルーツの素晴らしさには目を見張るばかりで、酸味と共に甘みも強く出ていてグレープフルーツの持つ魅力を凝縮したかのような瑞々しさに感動。
デニッシュ・ア・ラ・セゾン ポワール
洋梨には甘いというイメージがあまりないからカスタードと合うのかなと思ってたけど、食べてびっくり。完熟してあるのを用いてあるのか爽やかな中にも濃厚な甘みがあって凄くおいしい。いままではフルーツよりもデニッシュの素晴らしさに夢中だったけど、今回の印象は逆に。両方がベストなときに食べるのが楽しみ。
デニッシュ・ア・ラ・セゾン 栗
和栗は風味的にあまり好みではないんだけど、こちらは和栗にカスタードが合わさることで濃厚な後引くおいしさに。
デニッシュ 巨峰
季節ごとにフルーツが変わり、すぐに売り切れてしまう人気商品「デニッシュ」。はじめて食べた時のインパクトが強烈で、いまや行けば必ず買ってくけど、満足度では正直ケーキよりもかなり好みかも。サクサクパリパリの幾重にも折り重なったデニッシュの層が食感良すぎてもうそれだけ食べててもかなり幸せ。巨峰の酸味がほんのり効いたバランスのいい甘みに、デニッシュのシュガー、バター、カスタードの甘みが噛めば噛むほどじわじわと染みだしてきてハーモニーがたまらない。食べ進めれば食べ進めるほど心が幸せになってくるような素晴らしき逸品。
シェーズ アナナス
モンサンクレールのデニッシュは2種類あって、こちらはフレッシュフルーツの代わりにコンフィチュールが載ったタイプ。ヴィエノワズリーなこちらのデニッシュもほんと絶品。ケーキの食べ歩きしてくと自然とフランス語も覚えていくけど、アナナスとはパイナップルのこと。こちらのデニッシュの生地の素晴らしさは言わずもがな、その上にパイナップル特有の濃密な甘さがコンフィチュールとして更に凝縮されてたっぷりと載せられているんだからこんな素敵なハーモニーがおいしくないはずない。絶品!
シェーズ スリーズ
こちらはチェリーのコンフィチュール。酸味と甘みのバランスのよさがチェリー好きにはたまらない。
モンブラン
フランス産マロンペーストを用いたお手本となるかのような絶品モンブランで、とろける食感とミルキーさがたまらない!舌触りの良いマロンペーストで覆われた中にはほんのりラムの効いたマロンペーストと無糖のシャンティ、底にはアクセントになるザクザクのメレンゲと、おいしいモンブランを食べたくなった時に頭の中でイメージする最高のモンブランがこちらでは頂くことが出来る。
ガレット ミルティーユ
ショーケースでも見栄えのする美しさだけど、ガレットフランボワと並んでビジュアル的にもモンサンクレールの代表作。
天辺にはローズマリー、ブルーベリーの上にはあえて甘さを抑えたシャンティー、タルトの中にはダマンドクリームかな?がはいってて、こんなに小さい中にも上下でテイストが異なるやや複雑な構成。
それだけで存在感のあるタルトの部分がとにかくおいしくて圧巻。
ミルフィーユ フランボワ
季節ごとに変わるミルフィーユといえば「D'eux」もそうだけど、モンサンクレールでもはじめることになって地理的にもお店が近いからますますどちらに行くか迷ってしまう贅沢な悩みが。この「ミルフィーユ フランボワ」はこちらのお店の定番で、かわいい見た目がこちらのお店のイメージにぴったり。バターの風味が濃厚でサックサクのパイ生地に、酸味強めなフランボワーズの果肉とコンフィチュールがたっぷりと、カスタードの甘みとのコントラストが素晴らしい。バランスがよくもっと食べたくなるけど、やはりこちらのお店はサイズがちょっと全体的に小ぶりかな。
ミルフィーユフレーズ
こちらのミルフィーユはもともとかわいかったけど更にカワイイデザインで登場。飾りのチョコがイチゴらしい甘酸っぱさがあって凄く美味しい。
しっかりキャラメリゼされたパイ生地が香ばしく美味しい。ショーケースでやたらとイチゴ推してる印象だったけど、愛媛の農産物を使ったコラボだったみたいで愛媛のブランド苺である「あまおとめ」を使用。
バランス的に圧倒的にイチゴのテイストが前面に出た珍しい印象のミルフィーユで酸味よりも甘みが強く美味しいイチゴが印象的。
エクレールフレーズ
こちらも愛媛コラボ商品。イチゴの美味しさをよく引き出してる。ローズマリーは見た目綺麗だけど香りが人を選ぶかな。
こちらのお店のシャンティは特徴的でキュートなテイスト。ジュレが更にイチゴの風味を高めてくれてテイストの方も見た目のキュートさに劣らないかわいらしさ。
味の引き締めとしてガナッシュも入ってて深みある甘さをプラス。甘々な雰囲気だけじゃ無いバランスの良さ。
フロマージュ クレール
今年も会ったねきこりさん。フロマージュ クリュの方は見かけないことが多くなったけど、モンサンクレールの定番チーズケーキといえばこちら。口溶けのなめらかさが素晴らしいけど、チーズスフレの上にチーズムースが重なりチーズケーキ好きにはたまらないと思う濃厚さ。濃厚ではあるものの口溶けの良さとも相まってくどさがなくすっきりとした余韻があるのでもうひとつもうひとつと食べたくなってしまう。
タルト タタン
林檎好きにはたまらない秋冬のお楽しみ。生地の代わりに林檎を敷き詰めているようなものなので使う林檎の数も多くコストの問題からなかなかお目にかかれないアイテムの一つ。風味を閉じ込めるように飴色になるまで砂糖、バターと共にじっくりと林檎を煮詰め、タルト生地の上に載せれば完成。タルト生地がきちんと主張しているのもこのお店ならでは。バリバリッとしっかりキャラメリゼされ、中にははっきりとした酸味の紅玉が入っているので甘みよりも苦み、酸味を強く感じる大人のためのおやつ。苦みを和らげるようにシナモンを振りかけかわいく載せられたシャンティがふんわりとアクセント。
スリーズ
宝石のようなと評されるこちらのケーキの中でもひときわジュエリーのように輝く美しさが目を惹く「さくらんぼ」と名付けられたケーキ。TOPの紅が鮮やかなチェリーのグラサージュと、何層にも重なりあった美しい断面がとにかく目を惹く。
スリーズのほどよい酸味に組み合わされたのは風味のあるピスタチオのジェノワーズとややもったりしたピスタチオのバタークリーム。キルシュも効かせあくまで品良く計算されたバランスの上にショコラが芯を通し、一番底にあるざくざくとした食感を持ったフィヤンティーヌが心地いい余韻を残してくれる。
リヤン エレガン
こびとの飾りで、定番のアイテムもクリスマスにはこうしてドレスアップされるので楽しい。
「エレガンス」と構成が被っちゃったけど、フランボワーズ、ショコラとど定番な組み合わせ。濃厚なガナッシュの深い甘みとフランボワーズの甘酸っぱい酸味のマリアージュ。
タルトのザクザクな食感が重さの中にも軽やかさを感じさせて、重めのケーキでもモンサンクレールらしい繊細さを感じさせてくれる。
エレガンス(2014クリスマスケーキ)
クリスマスとバレンタインはショーケースが人垣で見えないほど一年で一番混むのは目に見えてるからなるべく避けてたんだけど、時間が出来たのとクリスマスシーズンのショーケースも一度見てみたくて日本で一番混むであろうこちらのお店に訪問。警備員さん二名体制、整理券配布とさすがの繁盛店。店員さんもサンタコスでかわいい。
ショーケースを見てみたけど、クリスマスだと定番のケーキにも飾りが施されたりするのでより華やかな印象。単価は高いけど、クリスマス限定のホールケーキなどがカット売りされているのでいろんなお店のクリスマスケーキを食べたい人はお店をいくつか回って
カットケーキを買っていくのもおすすめだと思う。ホールケーキのみだとどうしても当たり外れがあったときに残念な思いをするときがあるし。
「エレガンス」はフランボワーズのジュレ、コンフィチュール、ガナッシュにショコラのムース、生地といった構成。ショコラとフランボワーズの組み合わせという見るからにモンサンクレールが得意そうなアイテム。
ジュレが斜めってるけど、日本を代表するお店でこの点はちょっといただけないかも。
ショコラとフランボワーズの酸味甘みのマリアージュに口溶けの良さが相まっておいしい。はっきりとわかるモンサンクレールらしいテイスト。ただ、想像しやすい味だからクリスマスならではのスペシャル感はないかな。
サンパティ(2015クリスマスケーキ)
毎年楽しみなモンサンクレールのクリスマスケーキ。辻口シェフにもようやくお会いできたので凄く嬉しい。ピスタチオのムース、フランボワーズのムース、フランボワーズのジュレにマールドシャンパーニュでマリネした風味の良いマロングラッセといった構成。
緑が爽やかな印象だけど、ピスタチオが凄くフレッシュで瑞々しい。ピスタチオとフランボワーズの組み合わせなんてモンサンクレールが得意とするところだけど、表面はプルッと中は口溶けなめらか、底のフイヤンティーヌはサクサクッと食べ進めるごとに食感の変化もあってテイストの調和だけでなく食感の変化も練られていてそつがない印象。日本でも一番と言える有名店だけに最近は外国人の方もよく見かけるけど、ケーキマニアだけでなく幅広い年齢層に高いレベルで誰が食べても美味しいと感じさせる仕上がりなのはさすがこのお店ならでは。
クロワッサン
モンサンクレールは生菓子だけじゃないということを証明してくれるかのような知る人ぞ知る逸品。デニッシュと同じく早々に売り切れてしまうことも。美しいルックスに、折り重なる無数の層によってサクサクよりも食感がさらに上なバリッっとした極上の食感が味わえる。中はふんわりしっとりと、バターの香り、風味がじんわりと。「クロワッサンの理想型」文字にすると簡単かもしれないけど、なかなか出会えなかったりするもの。何も足すことなくそのままで味わいたい極上の逸品。
クロワッサンショコラ
スペースが限られているのでモンサンクレールに置けるアイテム数だけじゃ物足りずにブーランジュリー「マリアージュ ドゥ ファリーヌ」を新たにオープンさせるほど自信を持っていた辻口シェフの実力が窺えるこれまた絶品のクロワッサンショコラ。中に入れられたヴァローナ社のショコラはほんのりビター。もっとアイテム数増えて欲しいけど、生地だけでおいしいからこちらのヴィエノワズリーはハズレがない。
シュー ア ラ クレーム
むむ、これ皮がうますぎる。シュー皮だけならマイランキング暫定一位かも。あんまりバニラ感はしないけど、モンサンクレールらしい繊細ながらも濃厚さを持ち合わせたカスタード。ただ、皮の方の印象が強くてクリームのインパクトは弱いかも。 シュー皮にふんだんにまぶされたアーモンドがなんとも香ばしい。サクサクよりはパリパリっとした食感でナッツの香ばしさも絶妙に効いてて食べてて楽しいくらい。
これ何個でもいけちゃうなぁ。コンビニ並みのお値段ながらさすがの日本最高峰のテイスト。ご近所さん幸せですね。
モンプリン
日本一のシュークリーム&プリン探しを模索し続ける日々だけど、あのモンサンクレールのプリンはどんなだろうとめっちゃくちゃ期待。仕事の丁寧さが窺える生クリームの層がめちゃくちゃ綺麗。
しかーし、あれれ?甘さを抑えてるのかなんだか味の輪郭がはっきりしない。
生クリームの方も甘さが抑えてあって、カスタードとの絡みもいまいち。んー?
きらびやかなショーケースの中でも普段着的なアイテムというか、プリンやシュークリームって実力を計る試金石的なアイテムだと思うけど、また機会を見て食べ直ししてみなくちゃ。
モンプリン
上部を覆っていた生クリームが無くなってリニューアルなのかな?二層になってるまるで液体かのような口溶けの素晴らしいトロトロプリン。
おいしいと感じさせるバニラのフレーバーを最初は強く感じるんだけど、食べ進むにつれてやはり味の輪郭がはっきりしてなくてなんかボンヤリ。
好みの差ではあるんだろうけど、自他共に認める日本で一番人気のあるパティスリーなんだから、こういうベーシックなアイテムこそ強いインパクト残して欲しかったかも。 何も言わなくてもスプーンとおしぼりまで入ってたのにはホスピタリティの素晴らしさに感心。