ラーメン生郎

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大ダブル全マシ

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大ダブル全マシ

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namaro04ajpg.jpgまるで昭和で時が止まったような店内。薄暗くAMラジオが響く中、客は自分一人。交通量のある街道沿いに面しているため、異様な光景の廃屋の存在を確かめるように幾人かの人々が通り過ぎる度に店内へと視線を落としていく。奥の方で暇を持て余すかのように新聞を読みふけっていた店主に挨拶し調理開始。

最近はいきなり卒検ばっかやってる気もするけど、こちらもなかなか来れないので一番重量のある大ダブルを全マシで。全マシって一度言ってみたかったけど、こちらは注文もコールもややクセがあると事前に調べていたので便利な呪文を今回使うことに。
量は二郎としてはかなり少なめ。豚骨感は乏しく油多めで旨味も少ない、二郎というよりは醤油ラーメンといった方が近い印象。野菜ももやしオンリー。豚は珍しい形をしているもので、味がきちんと染みこんだちゃんと調理された美味しいもの。唐辛子のアクセントがないとちょっとスープが厳しいかなという印象だけど、脂で食べさせるオールド二郎のような味わいのスープで唐辛子との相性がどことなく懐かしく思わせてくれる一杯。
かつての三田本店でのスタイルだったみたいで、支払いも独特の形だったけど、カウンターにお金を置いて、そこに無造作に置かれた小銭の中からおつりを自分で持って行く形。現在の建物の状態がよりそう思わせるのかも知れないけど、どこか心の琴線に触れる栄枯盛衰な時の流れと二郎の歴史を少しだけでも感じることのできた訪問であった。


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ラーメン生郎

namaro01a.jpg東京都武蔵野市吉祥寺北町3-4-3

廃墟で味わう二郎!?伝説の二郎初の暖簾分け直系第1号店「ラーメン二郎吉祥寺店」。近隣の大学生によって執拗に看板にイタズラをされ続けた結果、ラーメン二郎→ラブメン生郎→ラーメン生郎などと変遷し、二郎から独立したいまでは「ラーメン生郎」として営業を続けている。
レジェンドオブ二郎でもあるので一度は行ってみたいお店ではあったものの、画像で見るお店の驚愕の姿や閉店騒動がネットでわき起こるなどなかなかにミステリアスな部分も多く、吉祥寺まで行ってみてお店がなかったらどうしようとの懸念を抱き続けていたけれど、いくつか寄ってみたいお店も溜まってきてたので意を決して訪問。到着して目の当たりにした光景は衝撃的なもので、誰しもが現役の飲食店とは思わないであろう外見ではあったものの、伝説の二郎は吉祥寺の地でいまも鼓動を続けていた。

三田での修行経験はほとんどないみたいだけど、頼み込まれたあげくの総帥の「しょうがねぇなあ」の一言で二郎の味が受け継がれたのだと思う。そこには信頼ある師弟関係というものも希薄だったように思う。独立の経緯も諸説あるみたいで、元々関係が希薄だったところでカネシに関わるロイヤリティの支払い拒否や、一番大きな問題として「ラーメン二郎」の名義貸し問題があったのではないかと。

吉祥寺二郎の味に惚れ込んだ男が二郎での修行経験もなく堀切系と呼ばれるラーメン二郎の一グループを築いていくんだけど、どうも暖簾分けという形で名前を貸していたのが吉祥寺二郎の店主。総帥の与り知る出来事ではなかったと思うけど、麺でるを発端とするラーメン二郎の商標登録問題で堀切系にもメスが入り、裁判の末、二郎の名前を使えなくなった組織はラーメン大として存続していくことに。
なかなか波瀾万丈なストーリーを持つこの元ラーメン二郎吉祥寺店だけど、二郎の歴史を語る上では欠かせない存在。二郎の看板があったころは総帥直々に教えたスープでもあったことから人気があったみたいだけど、看板を変え、麵が細くなった頃から客足が遠のく形になっていったらしい。廃墟のような店内で哀愁を噛みしめつつ味わう二郎の味というのも他にはない一杯ではあるし、無くなってから後継しても遅いので二郎に少しでもこだわりを感じる人は一度はこのお店に足を運んで欲しいと思う。お店は朽ち果てていても店主は元気満々なのだから。
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