つけめん
つけ麺では全国でも屈指の名店との評価、よくある豚骨魚介ではなく、海老を用いたつけ麺と言うことで食べるのを楽しみにしていたお店。いまでは海老を用いたスープもそれほど珍しい物ではなくなったけど、こちらのお店ではつけ麺黎明期の頃からこの独特のスープを作り上げている。
クチコミでよく目にしていた店主のワンオペぶりはたしかに圧巻。行列店だからオーダーは途切れないだろうに、軽やかな身のこなしで作業のすべてをこなしていく様は感心することしきりだけど、やはり弊害もあって手の回らないところがどうしても出てくるからあつもりはできないし、作業や盛りつけなど雑に感じてしまうところはやはり出てくる。スープ割り頼むのも申し訳なくなってくるけど、この状況でも愛想よく接客をこなしているのが素晴らしい。
自家製麺の麵は特徴的で、スープに合わせてなのか四角い形にややごわつきもあって弾力がかなりある。エビ油を用いているとのことだけど、口に含んでみればエビと言うよりは甲殻類なテイストが充満してかなりのコク深さ。豚骨魚介をベースとしているもののそっちはあっさり目に感じて海老の風味が後を引くように支配的。たしかにインパクトのある味わいではあるものの、一つ致命的な欠点を感じてしまった。それはひやもりの為スープが冷めてしまうことで、食べ進めていくと途端にスープが重く感じ、魚介の嫌な部分のクセも表出するように。このスープでありながらあつもりができないという大いなるパラドックス。こちらのお店は最初からスープがぬるめなので冷えていくのも早く感じるし、このスープの味なら熱めの方が風味もより引き立つと思うのであつもりのかわりにある釜揚げで真価を味わってみたい。
得勢釜揚げつけめん
つけ麺では全国でもトップ10には入ろうかという名店ではあるけど、ちょっと自分の好みとは違っていたので今度は釜揚げで。水で締めてないのにコシがあって麵だけ食べてても美味しい。店主が休業した理由を思うとこちらのお店の麵には魂がこもってる。勢得のスープならあつもりが合うだろうと思ってたけど、釜揚げにしたらスープも冷めないし、魚介の嫌な風味も表出することなく甘みと海老のコクの余韻も感じれておいしく食べれた。チャーシューはちょっとしょっぱすぎかな。海老大好きなのでハマるかと思いきややはりちょっと好みとは違ってたけど、あの「玉」ですら合わないって人が身近にいるし人の好みはほんと千差万別というのを考えさせられる。